POINT
各構成の組み合わせが重要
レーザ加工はレーザの種類によって適正が変わり、使用する発振器によってレーザの種類が異なります。また、どのように光を導くかが変われば、照射位置の走査方法(駆動方式)も選定する必要があります。
レーザ加工機の主な構成
レーザ加工機は「発振器」「集光光学系」「駆動系」から構成されています。発振器で発生したレーザ光を集光光学系で伝送・集光し、駆動系によって照射位置を走査することで加工を行います。また、加工品質の向上や安全・機能保全のために付帯機器を必要とする場合があります。

レーザ発振器
対象材質の特性や要求品質によって適したレーザが異なるため、レーザ発振器の種類を選定する必要があります。
用途 |
レーザの種類 |
樹脂切断 |
CO2レーザ |
樹脂溶着 |
半導体レーザ |
セラミックス加工 |
CO2レーザ、ファイバーレーザ |
レーザ伝送(光路)
レーザ発振器から加工ヘッドまでレーザを導く役割をもっています。半導体レーザ、ファイバーレーザでは主に光ファイバを用いますが、CO2レーザでは光ファイバが使用できないため、ミラーを使った空間伝送を行います。必要に応じて、ビーム径の調整やビーム品質の改善なども行う部分でもあります。
加工ヘッド(集光系)
加工ヘッド内のレンズを使ってレーザを集光するため、加工に必要なビームサイズに合わせたレンズを選定することが重要です。必要に応じてレーザと同軸にアシストガスを噴射するノズルを使用します。
加工ステージ(駆動系)
レーザを照射する位置を走査するために使用します。加工対象側を動かす場合と集光光学系を動かす場合があり、XYステージや6軸ロボット、スキャナシステムなどを用います。樹脂溶着の場合は、レーザ光を遮らない仕様のプレス装置を搭載します。
その他の付帯機器
レーザ加工の品質向上や発振器の仕様によって必要となる機器類です。その一例をご紹介します。
ガスボンベ
レーザ加工によって樹脂が蒸発した際に発生するヒューム(煙)を除去したり、加工材料や加工レンズの冷却を行う際に使用するアシストガスのためのボンベです。アシストガスには酸素ガス、窒素ガス、圧縮空気(エアー)、ヘリウム、アルゴンなどが使用されます。
集塵ユニット
材料の特性によっては、加工時に有毒なガスが発生する場合があります。そのガスの処理やヒュームの体積を防ぐために使用されます。
チラーユニット
レーザ発振器の機種によっては、機能保全のために水冷を必要とする仕様があります。
レーザ加工のポイント
レーザ切断
レーザ切断では、熱影響を最小限に抑え、バリの発生を防ぐことが重要となります。適切な出力や走査速度の設定に加え、最適なアシストガスを選定することで、切断品質を向上させることができます。
レーザ加工機の要素
- 最適なレーザの選定
- レーザパラメータの最適化(出力、照射サイズ、走査速度など)
- アシストガスの選定
材料の要素
レーザ溶着
レーザ溶着は同様のパラメータにおいて、すべての材料で最適な結果が得られるわけではありません。材料ごとにレーザの吸収率や熱影響が異なるため、適切な組み合わせを選定することが重要です。
レーザ加工機の要素
- 最適なレーザの選定
- レーザパラメータの最適化(出力、照射サイズ、走査速度など)
- 加圧条件
材料の要素