超音波金属接合機 SONOPET JⅡ8020M/JⅡ12020M 発振器ユニットプレス付きモデル

超音波金属接合機 SONOPET JⅡ8020M/JⅡ12020M 発振器ユニットプレス付きモデル
超音波金属接合機 SONOPET JⅡ8020M/JⅡ12020M 発振器ユニットプレス付きモデル
超音波金属接合機 SONOPET JⅡ8020M/JⅡ12020M 発振器ユニットプレス付きモデル

1概要

カテゴリ
超音波応用技術
製品分類
超音波金属接合機 プレス付きモデル
太径化するワイヤーハーネス接合に対応した、最大出力12,000Wの超音波金属接合機です。最大7,000Nの加圧条件で発振可能な超音波システムにより、最大120sqのワイヤーハーネスを強固に接合します。ハンダなどを使わずに重ねた金属を超音波振動によって直接接合する技術で、同材質の接合の他、銅とアルミなど異種材の接合も可能です。位置再現性と保持力を両立させた工具ホーン保持機構を新たに採用しています。これにより、工具ホーン交換作業が容易となることでメンテナンス効率も向上しています。

2製品の特長

・最大出力12,000W
・最大加圧力7,000N
・EIA規格対応のラック式発振器
・位置再現性の高さで段取替えを効率化
・リニアエンコーダによる寸法管理
・メカニカルストッパーのダイアル調整機構
・多彩な接合モードの組み合わせ
・デジタルPLLによる周波数自動追尾制御
・デジタル定振幅制御による接合の安定性
・接合条件記憶や接合結果の保存

3製品詳細

発振器の特長

EIA規格の19インチラック対応

機器同士を直接重ねることなく、縦のスペースを有効活用できます。治具可動部の制御など、関連する装置類も一箇所にまとめることで保守、メンテナンスがしやすくなります。

プレス装置の特長

ロードセルによる実荷重での接合管理

荷重値を直接検出し接合条件に反映することで明確な接合条件の設定が可能となり、安定した品質管理を実現します。

Tスロット構造の治具固定ベース

装置の前後方向にT溝加工が施されており、治具の位置合わせが容易になります。また、ベース側のねじ位置による制限を受けづらいため、治具設計の自由度が増します。

位置再現性の高さで段取替えを効率化

振動系ユニット単体での位置再現性を確立する構造により、安全で確実なセットアップを実現しています。また、治具設置状態では工具ホーンを交換する際の作業スペースが狭くなりがちです。振動系ユニットは装置の前面、背面どちらからでも脱着できるレール機構を採用し、機外での作業を容易にすることで効率性も確保しています。

主な機能

 
発振制御 時間 設定分解能1ms
エネルギー 設定分解能:0.001J
ピークパワー 設定分解能1W
沈み込み 設定分解能1μm
距離 設定分解能1μm
AND/ORの組み合わせ制御 時間、エネルギー、ピークパワー、沈み込み、距離の組み合わせ制御可能
NG判定項目 時間、エネルギー、ピークパワー、沈み込み、
保持時間、保持沈み込み、総沈み込み、総距離
エラー判定項目 設定圧、平均速度、接触速度、距離、下降時間
保持動作設定 時間、沈み込みのAND/OR制御
接合管理ソフト 接合管理ソフトウェア J-Tool

デジタルPLLによる周波数自動追尾制御

高速・高性能なデジタル信号処理による発振周波数の自動追尾方式を採用し、安定で信頼性の高い発振制御を実現しています。

周波数サーチ機能

工具ホーン(超音波ホーン)や使用環境に合わせた最適な発振周波数を、超音波発振器のパネル操作や外部信号により自動的に探索して設定します。また、発振開始の周波数を任意に設定することもできます。

多彩な接合モードの組み合わせ

時間、エネルギー、ピークパワー、沈み込みの単一もしくは組み合わせ制御(AND/OR制御)及び距離制御が可能です。

多様な保護機能

様々な異常検出機能により、発振器と振動部ユニットを保護します。

産業用ネットワーク対応可能

従来の外部I/Oも選択可能ですが、EtherNet/IPや、CC-Link IE、CC-Linkなどの産業用ネットワークを活用することで、省配線化やデータの一元管理による生産性の向上に貢献します。
省配線の実現
産業用ネットワークによる省配線化のイメージ 拡大する
生産性の向上
産業用ネットワークによるデータ一元管理のイメージ 拡大する

デジタル・パラメータ設定によるメンテナンス

発振器内部のアナログ調整を排除することにより、迅速な保守サービスに対応します。

接合条件記憶や接合結果の保存

最大32通りの接合条件を発振器内部で記憶可能。また、接合結果は650万件以上の保存が可能です。

VFDによるユーザインターフェース

表示言語は日本語、英語、中文に対応しています。

通信ポート

接合管理ソフトウェアとの接続※1により、装置の状態監視や接合条件設定、接合データの収集が可能です。また、USBメモリ※2を使用して接合データの収集もできます。
※1 EthernetまたはUSB Type-B
※2 USB Type-A

アプリケーション

最大120sqのワイヤーハーネスを接合可能です。半田やろう材などの消耗品を使用せず、コスト削減と環境に配慮した接合が可能となります。
また、バスバーなどの銅板同士の接合も可能です。

自動車

ワイヤーハーネス

接合管理ソフトウェア J-Toolの活用例

超音波金属接合機JⅡ8020M/JⅡ12020Mと連携し、接合結果の表示、接合条件の設定、外部制御の設定、発振器の状態表示などを行うWindows専用の接合管理ソフトウェアの活用例をご紹介します。

接合工程の「見える化」により、接合条件の最適化を行い「高品質・安定した接合」を実現

接合毎の各データの結果値や接合サイクル中のデータの変化などを表やグラフに表示することで接合工程の「見える化」を実現。
「見える化」のデータをもとに、接合条件の最適化を行うことで「高品質・安定した接合」が可能となります。

接合した条件・設定がわかる(接合結果)

接合時のパワー・荷重・沈み込み量がわかる(グラフ機能)

接合グラフの活用により、接合条件の最適化を図ることによりタクトタイムの削減が可能です。

サイクルタイムとデータ管理を両立(データ通信の高速化)

従来のRS232C通信では、グラフデータを取得するには3~5秒必要であり、サイクルタイムに影響が出るため、全数管理は困難でした。Ethernet/USBを採用することで、データ通信が高速になり、サイクルタイムに影響を与えず、生産データの全数管理(接合結果、グラフ、条件設定)が可能となりました。

記録した接合結果データをボタン一つでグラフ化

Ethernetでは現場から離れた場所でも管理が可能です。PC1台で複数台の接合機の生産管理も可能となります(J-Toolの複数起動)。
発振器の状態監視(アラーム/警告)機能で、離れていても動作状況が確認できるので安心です。

不良品の解析ができる(接合結果の判定機能)

接合のばらつきがわかる(統計データ機能)
過去データとの比較ができる(データ保存機能)
接合データの解析により、迅速な対応が可能。統計データ表示機能で接合不良を未然に防ぐことが可能となります。

接合結果の抽出や統計が可能(要因分析)

円グラフによる接合の歩留り(良品/不良品の数)を可視化。
接合結果(OK/NG/アラーム)の円グラフ、各接合結果項目の折れ線グラフや分布グラフでの確認、標準偏差の表示などが行えます。

発振器

発振器 JⅡ8020M JⅡ12020M
発振周波数(kHz) 20
最大出力(W) 8,000 12,000
電源入力(V) AC200~240(三相)
外形寸法WxDxH(mm) 548×652×654(突起部含まず) 548×652×654(突起部含まず)

※記載されている製品は、予告なく仕様・寸法が変更になる可能性がございます。

プレス装置

プレス JⅡMP120
シリンダ径(mm) φ125
発振トリガ 荷重(N) / 距離(μm)
有効ストローク(mm) 15~70
加圧力(N) 2,000~7,000
外形寸法 W×D×H(mm) :566×700×1453(突起部含まず)
ヘッドユニット:440×385×605(突起部含まず)
:566×700×848(突起部含まず)

※記載されている製品は、予告なく仕様・寸法が変更になる可能性がございます。

超音波金属接合機の基本構成

超音波金属接合機は主に発振器・振動部ユニット・プレス装置・工具ホーンの4つによって構成されています。工具ホーンは、振動部で発生した振動を増幅しワークに伝達することで接合を行います。また、プレス装置を使用せず、発振器・振動部ユニット・工具ホーンの組み合わせで利用されることもあります。

本製品の構成

発振器

高周波電力の供給と共に、共振周波数の制御などを行います。プレス装置の架台に組み込むだけでなく、EIA規格の19インチラックに収めることもできます。

プレス装置

ワークを加圧し、接合時の沈み込み量などを制御するための装置です。オープンハイトの延長により、高さのある治具にも対応可能です。

振動部ユニット

発振器から供給される高周波電力を機械的な振動に変換します。周波数に応じた振動部ユニットを使用します。プレス付きモデルの場合、プレス装置に搭載されます。

工具ホーン

振動部ユニットに接続します。振幅(振動)を増幅し、ワークに伝達することで金属を接合します。設計した周波数と異なる機器では使用できません。