電波について

電波は、私たちの日常生活を支える重要なエネルギー形態の一つです。通信技術や科学技術、生産技術など、さまざまな分野で広く利用されており、その本質的な特性を理解することで、応用技術への理解も深まります。

POINT

電界と磁界が作用する

電磁波の一種である電波は、周波数によって異なる特性や用途を持ちます。真空や空気中でも伝わる性質があり、電界と磁界の相互作用によって遠くまで届きます。周波数帯域ごとに分類され、様々な通信にも利用されているため、電波を発する機器の利用には法律による規制があります。また、電波の特性は食品の加熱や乾燥、樹脂加工といった二次加工分野などに利用されることで、効率的な加工やコスト削減が可能となっています。

電波の定義と特性

まず初めに、電波とは電磁波という物理現象の一種です。そのうち、私たちが使いやすい種類のものを電波と呼んでいます。電磁波は「電気と磁気の波」であるため、電気(交流)も含まれます。電気と電波の一番の違いは周波数です。周波数が低く、電線を流れて供給されるエネルギーを電気と呼び、周波数が高く空間を飛びやすいものを電波と呼んでいます(日本の電波法では周波数が3THz以下の電磁波を電波と呼ぶよう定義し、電波に対しての規制を定めています)。コンセントで使用している電気の周波数は50/60Hzですが、高周波ウェルダーでは27.12MHzとなります。このように、電波はある一定範囲の周波数帯域で定義されており、その周波数や波長によって特性が大きく異なります。例えば、周波数の分類として長波(LF:Low Frequency)、中波(MF:Medium Frequency)、短波(HF:High Frequency)といった区分が存在し、それぞれ用途が変わってきます。

電波周波数の種類

電波は、その周波数によって用途が明確に分類されています。それぞれの到達距離や障害物に対する通過能力、さらには通信品質まで影響を受けることがあるため、規定された電波を発する機器は法律による使用許可申請が必要となります。

電波の種類を表す図

出展:総務省ホームページ

電波の伝わり方

電波は空間を介してエネルギーを運ぶ波であり、媒体がなくても伝わることが特徴です。これは、電波が電界と磁界の変動によって形成される電磁波であり、真空や空気中、さらには宇宙空間といった媒質に依存しない性質を持つためです。ここで、電界と磁界の関係性に触れておきましょう。鉄等にコイルを巻き、そのコイルに電流を流すと鉄等は磁石になります。また、コイルの中で磁石を動かすとコイルに交流電流が発生します。つまり、電気(電界)と磁気(磁界)はお互いを生み出す関係性になっています。電波はその電界と磁界の連鎖によって遠くまで伝わるのです。

二次加工分野での電波利用

電波は二次加工分野において、非常に重要な役割を果たしています。電波エネルギーを活用し、材料を加熱・乾燥させたり、特定の波長を利用して精密な作業を行うことで、従来より効率的で品質の高い加工が可能となります。例えば、食品加工分野においては、マイクロ波を利用した技術が広く応用されています。これには食品の乾燥や加熱プロセスが含まれ、処理時間の短縮やエネルギーコストの削減に繋がっています。また、工業分野では、古くからその強力な電界を利用した樹脂の二次加工のプロセスが導入されています。この方法により、余分な工程を削減し、迅速かつ正確に作業を遂行できる体制を構築することができます。

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